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YCRMS測定員の日々の測定についての紹介です。
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ホウレンソウ
少し前の測定結果になります。
◆【測定結果】 埼玉県 ホウレンソウ 重量914g
Cs-137       ND(<1.62)
Cs-134       ND(<1.54)
測定日      2013.2.8
測定時間      9000秒
今年に入って自治体の給食使用予定のホウレンソウから検出例が続けて報告されましたので気になって測定をしました。

▼給食使用予定のホウレンソウからの検出例
ホウレンソウ 給食会
ホウレンソウというと福島第一原発事故の直後に葉面に放射性物質が降り注いだことで
基準値をこえるヨウ素が検出され、出荷停止の措置がとられたという印象が強い方が多いのではないでしょうか?
セシウムはどうなのかな?
葉物からはもう放射性物質の検出はないのかな?
という思いを持たれていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

▼測定結果を受けて測定所メーリングリストで意見のやり取りです。
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◇ 東林間:高岡さん
ほうれん草、気になりますね。
卸元も気にしていて、千葉の生産者から検体いただきましたが、でませんでした。
事故後に使用していた資材をひっぱりだしてきて、葉物が汚染されていたという
例もありましたが、そうした使い回しのためか、堆肥のせいなの か・・・
ほうれん草は移行率高いとかいわれていましたが・・・
行政で検出された場合、農政課などといっしょに原因究明に動いてくれているといいのですが。
生活クラブだと、検出はだいたい同じ生産者グループが多いように見ていますが。

◇ 測定員M: 千葉、埼玉、あたりで、ホウレン草、小松菜がちょこちょこ出ていますね。
昨年も春になると、検出の報告を何度も目にしました。

◇ 測定員H: レンコンのようにほぼ検出されるといった食品ではないようですし、
カリウムを多く含むということでセシウムも吸収しやすいのかもしれませんが...
吸収しやすい作物ということに加えて、やはりそれぞれの土壌の種類や土壌の放射性濃度、肥料に関与するということなのでしょうかね。
注意して経過を見なければいけない食品ですね。
原因究明をして対策を練って報告して欲しいですね。
当該の行政が汚染の実態をきちんと把握して、対策を出すことは他の地域での参考になるでしょうし...
踏み込んだ対策を望みたいですね。
検出されていないものもあるけれど、こうやって給食でランダムに使用されてしまうこともあると思うので、知識は持っていたいですね。

◇ 高岡さん: 有機野菜の生産、流通に関わるところは、放射能についての関心も高いですよ。
農薬、化学肥料で汚染されていない野菜を作ってきたのにそれが勝手に放射能で汚染されてしまう現実にショックはとても大きいのです。
まだ、現実を知るというあたりにとどまっているような段階ですが、土壌の汚染があっても、
生産物に移行しない農法、工夫は手探りの段階でしょうね。

◇ 分析、青木さん:(横浜市給食での検出について)検出下限が 3 Bq/kg ということなので、
Cs-134はギリギリ出るかで出ないかの瀬戸際で、ひっかからなかったってことかな。

◇高岡さん:葉物についてですが、以前どこだったけか震災時に使用していたビニールを再利用していて
高い値出た葉物がありましたね。そうしたことは、今後も ありうると思っています。
一応、そうした汚染した資材は使用するなというお達しがでているのですが、ひっぱりだして来て使用してしまう百姓もいるようです。
あと、ハウスだと、マイクロホットスポットになっている場所もあるらしいのです。
ハウスのビニールが地面に接している場所、茨城の行方での例を聞きましたが、ホットスポットになっているとのことでした。そこからハウスの中 雨と共に流れ込みなんてこともありうると。
--------------------------------------------------------
濃厚な意見交換が行われてます。高岡さんの知識の幅はやっぱりすごいです!とっても勉強になります!

▼実際ホウレンソウの移行係数は他の品目と比べてどうなのでしょう。
以下は福島市内での野菜の移行係数を調査したものです。
各種夏作野菜への土壌中の放射性セシウムの移行係数: 東北農業研究センター) 

野菜 移行係数 農研機構
品目によってバラツキはありますが葉菜類は移行係数が高めのようですね。

続いて他に報告されている検査結果を見てみますね。

▼厚生労働省の検査結果
厚労省 ホウレンソウ
ホウレンソウの検査数は約1180件(H24.4~H25.2.10)。そのうち福島県以外での検出は3件。それ以外は検出下限値以下となっています。
検査数と比較すると検出数がそれほど多いという感じは受けませんね。
福島市での基準値超過がありますがこれについては後で触れたいと思います。

▼生活クラブの検査結果
生協
数件の検出がありますね。

▼横浜市民測定所の測定結果
横浜市民測定所
検出事例はありませんでした。

これらのデータを見ていてみなさんどんな感想をもたれたでしょうか…
全体を見てもそれほど検出数は多く見えていませんね。
自治体によっては検出下限値に違いもありますので検出下限値以下に数値が隠れているという可能性も否定はできないかもしれません。
また、移行係数が高めなのは気になるところでしょう。

目を引くのは福島市での520Bq/kgという基準値超過です。
高岡さんがやり取りの中で話されていた事象です。
これは事故発生時に使用していた農業用資材の再利用が原因と言われています。
「ホウレンソウ」緊急時環境放射線モニタリング(緊急調査)結果概要 園芸課

このことを受けて福島県は調査を行い、他の作物においても汚染された資材の利用によって土壌の放射性濃度の寄与によることなく、高い汚染が確認されたと報告しています。
原子力災害に関する農作物の技術対策 農業技術情報(第25号)福島県農林水産部 

大きな数値ではなくても検出されているものの背景にはどんな要因があるのでしょうか?
福島県での基準値超過例の調査は基準値を超えたからこそ、調査されたものですよね。
どの作物に関しても言えることですが汚染された資材、使用された堆肥、もともとの土壌の放射性濃度などの詳細な内容が分からない中でははっきりとした原因が特定できません。移行係数だけで作物の汚染が把握できるわけでもありません。
これはいずれかの要因また、複合要因によって検出例が今後も推測されるということを表しています。
これから求められることは高岡さんがお話されていたように数値の検出が見られた自治体の担当課が生産者の方々と協力して実態の把握を行い、消費者にも情報提供をする。また放射性物質の低減策を考え、実施していくことがなのではないかと思います。
どのように働きかけていくか、課題になりますね。

今回、給食の食材での報告が続いたことは気になることだと思います。
ただ一方で皆さんで情報共有をするという機会を得たのかもしれません。
少ない検出例であってもホウレンソウは使用頻度も高いかと思いますし、今後、また給食の食材に使用予定となることは十分考えられます。
学校、幼稚園、保育園の情報提供の参考にしていただけたらと思います。

▼こちらはホウレンソウの全国シェアのグラフです。
産地シェア
検出結果が報告されている県が大きなシェアを占めていることが分かります。
関東近県においては市場の入荷数も多数を占めています。
参考にしていただけたらと思います。

今後も検査結果の動向に注視していただきたいと思います。

測定員H



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レポート | 08:14:03 | コメント(0)
東林間測定室の出した「不検出」
随分前ですが、
測定中に、座間の農家のお兄さんが育てられた落花生の測定結果を聞きにいらっしゃいました。
座間生産者向け測定所で測定した際Cs137のみ検出され、東林間測定室がチェック依頼されたもので、エタノール添加処理を施してあります。

東林間測定室の高岡さんのだした結果は
Cs137: ND(<0.83bq/kg)
Cs134: 0.37bq/kg    絶対誤差±0.50bq/kg  統計誤差>100%
となり、
ピークの確認はできません。

ちなみに横浜市民測定所オリジナル解析プログラム、オレピークサーチ、略してオレピ*(注)
にかけても同じくCs特有のピークはみられません。
▼下の画像は、上記結果を「オレピークサーチ」で分析したスペクトル図になります。
無題

「不検出」の結果を見つめて、「あーよかった、あーよかった。」と何度もほっとしたようにお兄さんがつぶやいているのをみて、ほんとによかったなぁ、とこちらも少し胸が熱くなりました。

普段測定で、この食材は測っても出ないよ、なんて(いっちょ前にも)思うこともあったのですが、
食の安全に日々配慮されて、誇りをもって生産されている方にしてみれば、ご自身の努力の賜物である作物にセシウムが検出されたかそうでないかは、実に切実な問題です。

特に東林間測定室のある自然食品販売店チャンプールでは、納品する生産者も有機栽培で食の安全を目指す尊い志を持たれている方が多いので、なおさらです。

東林間測定室の出した「不検出」。
これは巷に検出下限が10bqや20bq/kgで不検出判定としてしまうものがあふれている中、
そういったものとは一線を画している、世間に胸を張れるギャランティーだと思います。

食べる人の安全に配慮し、
手塩にかけて育てられた作物につけられた高岡さんの執念の「不検出」。
個人的には「安心安全」の大きな金印のシールを貼って売って欲しいと思いました。

残留農薬、ポストハーベスト、遺伝子組み換え食品、食品添加物、etc..様々な危険をはらんだ
食品に取り囲まれながらも、子どもには安心安全な食べ物をと選んで生活していたところに起きた原発事故。

放射能は福島近辺だけでなく全世界に撒き散らされてしまいました。

安心できる食べ物はもう手に入らないのか、、、と悲嘆に暮れたこともありましたが、現実としっかり向き合い、地道に対応されている方々がこんなにも身近にいらっしゃっるのかと、心強く、感謝の日々です。

そんな高岡さんのご協力で横浜市民測定所の測定も行えています。
オレピもなんとか使い、AT君の特性を生かしつつ、不検出を願いながら、正確な測定にいそしみたいと思いました。

*注: オレピークサーチ、略してオレピは、横浜市民測定所の分析スタッフが独自に開発した解析プログラムです。これにより、ATOMTEX付属のソフトでは不検出(ND)となるような、ごく微量の放射性物質の存在を推測したり、天然核種の影響を見分けたりすることができます。

オレピークサーチについては、こちらのブログもぜひご覧ください↓
「測定員の部屋-YCRMS測定所内勉強会」

測定員 M.Y

日々思うこと… | 17:59:54 | コメント(0)

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