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YCRMS測定員の日々の測定についての紹介です。
会員情報の含まれる記事はパスワードにて横浜市民測定所の年会員様限定公開にしています。
ブロとも申請は受け付けをしていません。ご了承ください。
http://www.ycrms.net/
↑YCRMS横浜市民測定所のホームページです。

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牛乳のこと②~現在の牛乳の数値の推移~
第二弾まで大変時間が経ってしまいました。

『牛乳のこと①~日本人の摂取量と福島第一原発事故が起こるまでのCs137~』
では福島第一原発以前の牛乳に含まれていた放射性セシウムについての記事を書きました。

事故後二年を経て、現在の牛乳の数値はどう推移しているのか…
みなさん気になられているのではないでしょうか?

▼ここに【福島第一原発事故による畜産物への放射能汚染について】
《東大付属牧場での試験成績:(2012.3発表)東京大学大学院農学生命科学研究科》
という報告があります。

【牛乳の放射性濃度の推移について】
放射性セシウム:飼料から牛乳に移行する。
飼料の給与停止:速やかに放射性セシウムは低下する。というものです。

詳細はリンク先をご参照ください。
つまり、牛乳から放射性物質が検出される経路は乳牛が放射性物質に汚染された飼料を摂取するということが優位と言えるのではないかと思います。

▼実際の数値を見ていきましょう。
以下は厚生労働省が発表している流通品の牛乳のデータをもとに作成したものです。
検出下限値別の検査数割合

全データ数、287件(H25.1~H25.3末日まで)。
検査結果の検出限界値別の割合、また検出数の割合を表しています。
これを見ると検出限界値が高い測定は5割を超えてはいますが低い検出限界値まで測定している自治体も多く、全体像としては参考になるのではないかと思います。
しかし、検出限界が高い測定ではそれ以下の数値が隠れている可能性は否定できません。

▼以下は検出された検査結果を抜粋して表にしたものです。

*牛乳の測定結果(H25.1~H25.3末日まで)
厚労省報道発表より検出報告のみ引用。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/copy_of_copy_of_2r98520000016378.html
流通品 検出

低い検出限界値での測定を実施している自治体の結果はとても参考になりますね。検出の産地では岩手県の割合が多く見られます。

*原乳の測定結果(H25.1~H25.3末日まで)
原乳 検出

直近の3か月では岩手県、群馬県、神奈川県からの検出がありました。
原乳でも岩手県の検出が目立っています。
ただし、岩手県は原乳も流通品もサンプル数が多く、測定も頻繁で、低い数値まで細やかに測定しています。そのため検出報告が多くなっているという側面はあるかもしれません。
積極的に情報公開することで現状を伝えようという姿勢はとても評価できるのではないでしょうか。
いずれにしても牛乳の数値は低い推移をたどっていると言えるのではないかと思います。

これまで自治体の発表する牛乳、原乳の測定結果を見てきました。
自治体や国の結果は大きな傾向を捉えるためにはとても重要なものです。
しかし、消費者目線、お買い物をするお母さん目線で見るとメーカーやLotNo、詳細な産地までは公表されていないですね。せっかく精度の良い測定器で測定してくれているのにもったいない気がします。
スーパーで手に取る際の安心がなかなか得られない理由の一つかもしれません。

▼こちらは【日本乳業協会の原子力発電所事故による牛乳・乳製品への影響に関して】
で紹介されているQ&Aの一部です。
日本乳業協会
このQ&Aから見えること。

●生乳が混合して使用されるので自治体での原乳の数値が製品化した牛乳に反映されないこともある。
混合する地域の原乳に含まれる放射性物質の量によって牛乳の放射性濃度は変化すると思われるため、一度の測定で牛乳の放射施濃度を確定することはできない。
●工場の所在地が表示義務であるため、一部の産地限定の牛乳を除いては問い合わせをしなければ産地の特定ができない。また、混合の産地となると産地別の原乳の割合まで特定することは困難である。

こういった側面からも消費者は牛乳に対する不安が拭えないのではないでしょうか。
もちろんSrなど別の核種への懸念も不安材料の一つではないかと思います。
その結果、産地を選んで購入、小学校や幼稚園、保育園では水筒にといった防御策を判断されている方が多いのかもしれません。
給食では継続して飲用するので慎重になるのは当然だと思います。

市民測定所では自治体の全体的な傾向も情報として捉えながら、食卓に近い製品での測定の充実、情報公開をしていくことがとても大切であり、存在意義なのではないかと思っています。
ただ、これまでご報告してきた低い数値の測定となるとやはり、自治体の持つゲルマニウム半導体機器のような精密な機械での測定が重要となってきます。
市民測定所でも所有されている所もありますので利用いただくこともいいと思います。

私たち横浜市民測定所ではNaIシンチレーションカウンターの測定ではありますが牛乳を加熱し、水分を少なくして濃縮の割合を高めることで少ない数値でも検出の有無を確認してみませんか?という取り組みをしています。

【6L濃縮牛乳無料測定を募集します!!】
http://www.ycrms.net/booking/concentrate_milk

▼こちらは横浜市民測定所での牛乳の測定結果です。
横浜市民測定所データ
サンプル数がそれほど多くはないのですが検出が報告されている測定結果をまとめています。
濃縮して測定した結果が見て頂けると思います。
このような小さい数値になってくると数値自体の信頼性はあまりないということになってはしまうのですが...
これまでにご紹介している【オレピークサーチ】の活用、
機器の検出結果を鵜呑みにせず、さらに分析チームのスペクトル分析などで結果の検証を行なっています。


*こちらは上記測定結果H24.8.10の群馬県産牛乳のオレピ画像です。

IA-0810-1_1.jpg


Cs134,137の検出を表す三つの山が確認できていますね。分析結果にも反映されています。

幼稚園や保育園などの牛乳が気になるの...という方、交渉の資料にしたいけどゲルマは敷居が高くて...という方、一度濃縮牛乳の測定をされてみてはいかがでしょうか?
その際、上記でもご説明しましたが何か月かに一度定期的に測定されることをお勧めしています。

横浜市民測定所では測定サンプルを増やすことでみなさんにも現在流通している牛乳がどのようなデータの推移をたどっているのかをお知らせできればと思います。
そのためにはやはり測定検体の充実が大きな力となります。
測定をするのは私たちですが測定を依頼して下さる皆様のご協力で測定結果の蓄積ができるものと考えております。

ぜひ、ご協力をお願いいたします。

今後も情報収集を広く行い、皆さまに活用していただけるよう努めてまいります。
よろしくお願いいたします。

測定員H


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牛乳 | 07:33:31 | コメント(0)
私もタケノコ買いました!
皆さん、こんにちは。予約グループのリーダーHです。

昨日、今日と予約されたお客様で「タケノコの量が足らない」という方が二人いらっしゃいました。
あまり気にしていなかったのですが、今、自分がタケノコを自主検体で出そうと思ったところ…
皮を剥く前の総重量2,5キロ以上(489g、640g、827g、662g=2618g)が、たけのこ4本の皮をむいてみたところ、結果、185g,172g,229g,236g =822g と中身が予想以上に小さくなってしまいました _| ̄| ガッカリ…

私も800gしかない~~~~~~!!!自信満々に2.5キロ用意したのですが_| ̄|
しかも「もう、ここは食べられないんじゃん・・・」的なところも若干入ってます(涙)

先週の購入時より、見るからに育っているので、もしかして、可食部が減っている・・・ような気がして・・・??? 

剥いても剥いても茶色の皮でした(涙)町田のタケノコだけの現象か?!放置のためか?!
皆さま、もしかしたら、皮込み2.5キロを用意してもらっても、足りないかもしれません。

私は失意のまま、梱包を始めました。今から会社へ向かいます。

しかし、「タケノコって費用対効果(廃棄率が半分以上)悪いですね。」と、
会社の上司(奥様)に言ったら、「そんなものよ~」と
言われてしまいました。ちゃんちゃん。

予約グループ H

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<ブログを見た高岡さんよりメッセージ>
高岡です
現在鋭意測定中です!!! 合算9Bq/kgくらいでしょうか。
天然核種の影響があるので、再測定しています。3600秒で充分でしょう。
ググルとたけのこの廃棄率は50%というのが常識のようなのですが、竹によって
個体差がありますから仕方がないですね。
-----------------


こぼれ話 | 11:55:10 | コメント(0)
2013年のたけのこ
今年も横浜市民測定所では「たけのこ無料測定キャンペーン」を企画させて頂きました。
今年は昨年よりも皆さんの関心が低かったのか、どうせ出る(出ない?)だろうとの判断か、募集に制限を沢山書いたためか、食べるから測りたくないと思ったのか、昨年度よりも応募検体数が減りました。そこで、調査のため、 「たけのこ無料キャンペーン」を延長し、4/26までとさせていただくことにしました!
キャンペーンの応募の仕方はこちらです。1本からでも測定OKです。ぜひ、応募して頂ければと思います。

無題

行政(横浜市)の横浜市内産のたけのこ測定件数も昨年は7件ですが、今年は2件だけになっています。少し寂しい測定件数に感じました。地のモノですし測定値の幅が大きいので、私としてはもう少し測って頂けたらと思いました。

2013年度の横浜市内産たけのこを横浜市が測定した数値は、
横浜市衛生研究所:採取日4月2日、セシウム合計 12Bq/kg でした。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/syoku-anzen/00/nousaku231130.pdf

横浜市南部市場食品衛生研究所:採取日4月17日、セシウム合計10Bq/kg でした。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/syoku-anzen/00/itiba-nousan.pdf

2012年度横浜市産のたけのこ測定セシウム合計はそれぞれ、21Bq/kg、7.8Bq/kg、27Bq/kg、11Bq/kg、18Bq/kg、38Bq/kg、19Bq/kg でした。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/syoku-anzen/00/24matome.pdf
これだけを見ると、昨年に比べ2013年横浜市内産のたけのこのセシウム値は下がりましたが、まだまだ汚染が残って竹林の中で循環しているようです。

当測定所の今年の数値はこれからまとめる予定ですが、今までで一番汚染の高かった数値は、4月11日に測った横浜市内産のたけのこでセシウム合計:19.7Bq/kg でした。

昨年、当測定所のたけのこ測定をご利用くださった7名の方が、今年も応募してくださいました。この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました!
中には数値が昨年よりも上がった例もありました。7件ではありますが、昨年と今年を比較してどれくらい減ったのか等をまとめてみたいと思います。

長く続く汚染の一つの指標として、毎年続けて調査が出来ればと思います。

測定員M

お知らせ | 15:50:41 | コメント(0)
「検体購入の時に思う事」(混ぜること)
こんにちは、測定員のMです。
先週、測定に入った時の事ですが、検体を3時間測定にセットして、その間に測定員Aさんと買い物に行きました。
検体を詰める時に使う100均のビニール袋を買うついでに、Aさんと相談して、測ってみたい検体を共同購入しました。買ったのは、スナック菓子・麦茶・柿ピー・米糀です。

スナック菓子は、大手菓子メーカーの「さつまいも」と「かぼちゃ」を素揚げしたお菓子で、1パック35gで138円でした。24個買ったので、2人で割ると、1人あたり1656円。
いつも思うのは検体代って、、、結構~お金がかかる!です。
測定所スタッフは自主検体として測定料はかかりませんが、専業主婦でボランティアスタッフをしてる身として家計から自由に沢山の検体を買って測るのはなかなか難しく、、、ちょっとしたジレンマを抱えています。
また、測定依頼をされる方の事を考えた時、この検体代って、、、高いハードルではないかな、、、と。 その上に、測定料、送料を支払って測定依頼されるって、本当に大変だと思うのです。 いつも、測定ご依頼いただき誠にありがとうございます!この場をお借りしてお礼申し上げます。 上手く言えないけど、皆が少しずつカンパを出し合って、なかなか測れないものや気になる商品を皆で一緒に測れたらいいなぁ、、、と思っています。何か方法が無いかと只今、模索と思案中です。

話は戻って、、、24個のスナック菓子を買う時、気を付けた事があります。
なんだと思いますか?

それは、同一賞味期限の物を購入することです。
検体にもよりますが賞味期限やロットが同じなら、原材料も同じである可能性が高いからです。

測定依頼者さまから「混ぜても良いですか?」と質問を受けることがあります。
色々な理由から「混ぜて測定」を選択する場合があると思います。
混ぜても測定は出来ます。
それでは「混ぜる」ということについて考えてみたいと思います。
例をあげて説明しますね。

例えば、同一商品3袋(A500g+B250g+C250g=合計1000g)を合わせて測定したとして、その結果が8ベクレル/kgだったとします。
もし均等に放射能が入っていると仮定すれば
・A500g・・・4ベクレル/500g  
・B250g・・・2ベクレル/250g
・C250g/・・・2ベクレル/250g    となるはずです。

または1つだけ、汚染されているとすれば(C250gだけ汚染と仮定)
・A500g・・・0ベクレル/500g
・B250g・・・0ベクレル/250g
・C250g/・・・8ベクレル/250g    となります。

ここでA、B、Cをそれぞれ1キロ当たりのベクレル数に換算すると、
・A500gが1キロあった場合・・・0ベクレル/kg
・B250gが1キロあった場合・・・0ベクレル/kg
・C250gが1キロあった場合・・・32ベクレル/kg  になります。

では次に、C250gだけが1キロ当たり4Bq/kgで、残り750gは汚染の無い検体だった場合はどうでしょう?その全体のベクレル数は4分の1つまり1キロ当たり1Bq/kgと薄まってしまいます。
AT1320A(当測定所の測定器)での検出は、なかなか難しい数値になってしまうのです。
混ぜないで、4Bq/kgだった場合は、AT1320Aでかなり容易に検出できる事と思います。

上記の様に`混ぜると汚染が解りにくくなる可能性があります。
逆に、混ぜると平均値を知ることが出来るというメリットもあります。
(現在キャンペーン中のたけのこ無料測定は、3~4本の平均値を出す様に混ぜて測定します。)
濃縮測定をする場合、平均値を知ることのメリットは大いにあると思います。

せっかく高いハードルを越えて測定を依頼されるので、ぜひ混ぜることの意味 ―測定値は、良くも悪くも全体の平均値になる― を考えた上で、依頼者さまの選択、判断でご依頼ください(^^)
どうぞよろしくお願いいたします。

測定員M


こぼれ話 | 14:50:14 | コメント(0)
オレピークサーチのしくみ
皆さんこんにちは!今日は、横浜市民測定所の分析スタッフ山下さんが開発した「オレピークサーチ」のしくみについてのご紹介です。
前にブログでご紹介した、「オレピークサーチ」は、AT1320Aで出力したスペクトルを分析し、セシウム等の放射性核種のピークを同定するプログラムのことです。

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1 核種崩壊とその同定

 γ線は原子核内部から出る光(電磁波)で、核種の崩壊に伴って、高くなったエネルギー状態が低くなる時に発生します。この時出る光の色は核種によって決まっていますので、出た光の色を調べれば核種がわかります。これが核種の同定原理です。簡単ですね。


2 γ線スペクトルと検出器

 光の色をエネルギーで分類したものをスペクトル(spectrum)と呼びます。太陽の光をプリズムで分光した時に現れる、虹色の帯もスペクトルの一種です(青側がエネルギーが高く、赤側が低い)。核種ごとに出るγ線も電磁波の一種ですからスペクトルで表す事ができます。しかし、太陽光と違ってγ線は物凄い高エネルギーの電磁波で、人間の目には見えません。見えませんから色はわかりません。そこで、γ線の色を識別するのに良く使われる道具がシンチレータや半導体検出器です。測定所のAT1320AはCsを添加したNaIを使ったシンチレータ方式で、Geに比べ、安くて取り扱いが簡単です。しかし、スペクトルの分光能力、すなわち分解能が悲しいかな貧弱です。安かろう悪かろう、ですね。


3 NaIシンチレータによる検出

 核種ごとのγ線エネルギー(光の色)は非常に揃っていて、輝線と呼ばれます。これは、鋭い針のようなスペクトルピーク[*1]を持っています。優れた分解能を持つGe半導体検出器を使うと、簡単に核種を見分けることができます。しかし、NaIシンチレータ検出器の分解能は、Ge半導体検出器のそれの約1/50しかありません。Ge半導体では分離可能な50種類の異なる色の光が、全部同じ色に見えてしまう情けなさです。例えば、有名なI-131のγ線は364.49KeVのエネルギーピークを持っていますが、ちょっと横の351.93KeVの所に天然放射性核種であるPb214のγ線ピークがあります。この程度のエネルギー差(色の違い)は、Ge半導体検出器なら見分けられますが、NaIシンチレータでは区別が出来ません。同じ現象が、Cs-134の604.72KeVとBi-214の609.32KeVでも起きます。あら、どうしましょう?


4 間違いが精度を向上させる?~統計的性質の利用

 NaIシンチレータの分解能が低いのは、γ線を受けたNaI蛍光体が、揃った色の鋭い光を出さないからです。「正確な」色も出すのですが、それに混じって「間違った」色も出しているわけです。さらに、蛍光体から出た光は極めてかすかなため、光電子増倍管というアンプで増幅しています。この過程でまた「間違い」が起こり、更に分解能を低下させます。
 この「間違い」の発生は、シンチレーション現象という物性に基づくもので、消すことは不可能です。「間違い」とは何かメチャクチャなイメージがあります。しかしこの「間違い」の発生頻度は、真の光の色からの離れ具合でだいたい決まっているのです。実はなかなか律儀なヤツだったんですね。
 真の光の色(エネルギー)からのズレの大きさと、数え間違いの光の「数」とに一定の関係があるわけですから、逆に、この一定の関係を前提にして、光の「数」の形状(=ズレ具合)から、真の光の色(エネルギー)を「推測」することが出来ます。


5 オレピークサーチの動作原理と近接したピークの分離

 放射能検出器のスペクトル図は、γ線の数を、エネルギー毎に仕分けて数えたものです。AT1320Aのシンチレータ検出器は、盛大に数え間違いを起こすため、おのおのの核種の出すγ線の周囲に、間違ってカウントされた光の数が散らばって観測されます。この間違いカウントは、γ線ピークから離れるに従って、だんだんその数が減少していくため、スペクトルの山が徐々に低くなっていきます。このため、でろーんと広がった、鈍いピークを示します。この形状が統計的な確率分布を表しています。AT1320Aでは、おおむねこれを正規分布とみなして[*2]構いません。オレピークサーチでは、スペクトル図に対し、あらかじめ決め打ちした放射性核種のエネルギーピークを中心とした正規分布曲線でフィッティングを行い、ピークの同定を行なっています。測定器は離散的にしかエネルギーを分解できませんが、正規分布は連続分布なので、測定器のエネルギー区分とは無関係にフィッティングをします。このため測定器の物理的分解能を超えて「推測」することが可能になります。これが近接したピーク分離の原理です。
 Cs-134とBi-214を例に解説しましょう。これらの核種もγ線ピークの周辺に数え間違いによるカウント数が積上げられていて、正規分布型の山ができているはずです。しかし、この二つの核種はピークが非常に接近していて(下左図)、分解能の劣るNaIシンチレータではまるで一つの山のように見えてしまいます。ところが二つの核種はそのピークがずれているため、足し上げた山の形状は、微妙に正規分布とは異なります(下右図)。正規分布を前提にして、このズレ具合を統計的に処理すると、Cs-134とBi-214、どちらがどの程度混ざっているかが推測できます。
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数式

分析スタッフ山下



『分析スタッフ』 | 08:20:20 | コメント(2)

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