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ドイツ放射線防護協会のトーマス・デルゼー氏の言葉
先日(2013-03-15 Fri)、お知らせしたブログ『ドイツ産*ブルーベリージャム
を書いている時に、横浜市民測定所の共同代表Tがドイツへ渡航中でした。

横浜でドイツ産のブルーベリージャムからセシウム137だけ22.2±4.6Bq/kg(統計誤差6%)検出したことを受けて(詳細は こちら)当日丁度、ドイツ放射線防護協会のThomas Dersee氏の家へ行く予定だったTは、家へ伺った際この件を伝えました。

T:「横浜で測定した、ドイツ産のブルーベリージャムから、セシウム137だけ、22Bq/kg検出されました。チェルノブイリ由来だと思います。ドイツで流通しているブルーベリージャムの実態を教えて下さい。」
それを受けたトーマス氏は、興味深い事を、また、横浜で調べた内容と同じ事をお話くださいました。
 「今でも100Bq/kgを超えるものもあるからね~、ブルーベリーは。」 と、トーマスさんご夫妻は特に驚いた様子もなく、しかし非常に熱く語ってくださったそうです。

・ジャムには栽培ではなく野生のブルーベリーが使われることが多い。
野生のブルーベリーは、ポーランドやハンガリー、ウクライナなどの東欧か、もしくはフランスで大量に採れるようで、ドイツではあまり野生のものはないのだそうです。
(生で食べるもっと大粒で中身が白いブルーベリーなら栽培ものがドイツにはあるそうですが、野生は、ポーランドやハンガリー、ウクライナなどの東欧に比べると少ないとの事。)

※今回ジャムの輸入メーカーへの問い合わせをしたところ、パッケージにドイツ産と書いてありましたがブルーベリーの材料産地はドイツと異なり、トーマス氏のお話と同じ産地でした。

・ブルーベリーの汚染が高いのは根が浅く張るから。

・ベリー類全般が吸収しやすい特徴を持っているというわけではない。ほかの選択肢があるのだからイチゴやラズベリーで代用できるものは代用。

・野生のものは森の生物循環に入り込んでぐるぐるとセシウムが移動しているので、栽培のものよりもかなり汚染が高くなる。
・森の生物循環によってセシウムが強固に蓄積してしまっているのを見ると、森の除染は不可能ということがわかかる

※前に森林汚染について「きのこについて その1 野生のきのこ」で書きましたが、「植物体に吸収されたセシウムは、枯死・腐植化・無機化する過程で一度放出されても腐植化した有機層やその直下の土壌層へ吸着されてしまい、風食、水食を受けない限りそこに残存し続ける。」要は、人為的な働き掛けが少ない森林では特に、セシウムが表層にいつまでも残り、長期に渡ってセシウムが検出される。除染が出来ず、いつまでも汚染が続くことを示唆しています。

・日本には野生のブルーベリーはそんなに多くないと思うので(乾燥気候や酸性土壌を好むから)、今後の汚染はチェルノブイリとは違うかもしれない。 
※日本のブルーベリーと言われる『ナツハゼ』という野生種の果実があるそうです。
JA長野県での紹介は以下
http://www.iijan.or.jp/oishii/2010/10/post_1424.php
ブルーベリー、コケモモ、と同じツツジ科スノキ属
ナツハゼ:WikiPedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%84%E3%83%8F%E3%82%BC
ナツハゼ(夏櫨、学名:Vaccinium oldhamii)は全国の山地・丘陵地に生育するツツジ科スノキ属の落葉低木。日本、朝鮮半島、中国原産。夏にハゼノキのような紅葉が見られることから名づけられた。
高い汚染地域の地元のジャム等は、流通量が多くないので測定されていないと予測されます。
注意が必要かもしれません。

・ドイツではセシウムが残留しやすい食品はかなり限定されるようになった。 (イノシシ肉、キノコの一部(全部じゃない)、ブルーベリー、ハチミツ、フィッシュイーターの淡水魚(日本では:イワナ、アマゴ、ヤマメ、ニジマス、ウグイ、ブラックバス等)気にする人はこれらを避けている。

・測り続ける事が重要。また今回のように広くお知らせするのはとても良いこと。 

・ドイツでは放射能だけを気にしている人は減ったが、幅広く安全な食品を求める運動が活発化した。ある財団が発行している「商品テスト」(http://www.test.de/)という、商品の値段や性能だけでなく環境負荷などを比較する雑誌が 昔からあったが、そこで食品が扱われることが増えた。特に遺伝子組み換え食品への消費者の反対が強い。今ドイツはEUで最もオーガニック消費量が多い国になった。

・リスク管理で一つの食品を集中して食べないこと。 

・このような話を公衆の面前で積極的にする事で、風化させないようにするしかない。 

等々の話を夕食を共にしながら語って頂いたそうです。ありがたい教訓の数々です。

私自身、放射能を気にしだしてようやく気付いたことが一杯あります。
ドイツでは放射能だけでなく幅広い安全な食品を求める運動が活発化したこと、リスク管理、お知らせする意義、とても勉強になりました。
今回、横浜市民測定所と縁の深いトーマス氏の言葉は、
27年前にチェルノブイリ原発事故経験をしたとても重みのある言葉でした。

▼下の写真はTが撮影したドイツのスーパーでのジャム売り場の写真です。

2013.jpg

メーカー名「Schwartau(シュヴァルタウ)」でセシウム汚染を検索したところ、ドイツ北西部ニーダーザクセン州のオルデンブルク大学物理学部のサイトにありました。
http://uwa.physik.uni-oldenburg.de/1606.html

ドイツ語なので大変恐縮なのですが、下にスクロールすると表が出てきます。そこで太字ゴシックでWaldfruchtkonserven(森の果実の保存食品)と書いてあるところから3行目を見ると
Heidelbeer-Konfitüre SCHWARTAU EXTRA 18. 8. 1999 13.3± 0.5
(ブルーベリージャム シュヴァルタウ エクストラ 1999年8月18日  13.3± 0.5)
とあります。
さらに、このジャムの上2つの商品は「冷凍ブルーベリー」になるのですが、こちらはなんと764± 4と609± 1(ともにBq/kg)です。
この高濃度の理由は本文に述べられています。
要約すると、
「チェルノブイリから12周年目の1999年に36検体を久しぶりに測定しました。この地域のベビーフードや酪農場の乳製品はおおむねセシウム137の検出下限値0.3Bq/kgを超えていません。
他方で、ベラルーシの母乳サンプルからおおよそ30Bq/kgの値が記録されていますが、それでもこれは当地の平均から見ると低い方に入ります。
ドイツのジビエ(猛禽類)やキノコ保存食、ハチミツ、ナッツはおおむね、特に目立ったセシウム汚染は見られていません。
しかし、例外はブルーベリー2つの冷凍食品の764± 4と609± 1です。
これはドイツのメーカーによるとベラルーシ産のブルーベリー使用のようです。これらはEUの基準値を超えているので、本来はドイツに輸入できません。メーカーはこの結果で輸入を禁止して欲しいものです。」

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先日のブログ「ドイツ産*ブルーベリージャム」にも紹介させて頂きましたが、厚生労働省:輸入時における違反事例速報(平成24年度) には、2012年4月以降に新基準値100Bq/kgを超えたブルーベリージャムを表にさせて頂きました。
最大でセシウム220Bq/kgの値が報告されています。
トーマス氏の言葉を忘れないようにと改めて思いました。

共同代表T (構成:測定員M)


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こぼれ話 | 08:22:00 | コメント(4)
コメント
貴重なレポートを有難うございました。
ドイツ語サイトを拝見し、裏付けが取れたのは大きいですし
事故後12年の状態が解りました。
また、トーマス氏の御意見は多くのドイツ人の
共通認識のようですが、これは素晴らしい事だと思います。

このような貴重な測定をなさっている方々に
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
多くの日本人が、放射性物質食品汚染の正しい認識を持ち、
原発に対して(化学物質や遺伝子組み換え等、食の危険なども)
NOと言えるように、国を動かせるように、
それぞれの立場で頑張りましょう!
2013-03-23 土 10:48:05 | URL | Roux [編集]
Re: コメントありがとうございます!
Rouxさま

コメントありがとうございます。とても嬉しいです! 実はブログ始まってい以来の初のコメントです~~~(祝)。
ドイツをはじめとするヨーロッパのチェルノブイリ以後の経験は、今の私たちの放射線防護の方向性を見極める上で、とても貴重な示唆に富んでいます。また驚くべきことに、当時活躍していた人たちが今まだ現役で情報発信しており、これらをきちんとネットにも公開していることが素晴らしいです。そのおかげで、私たちは手探りながらも市民測定所を立ち上げることができ、こうして皆様とご一緒に運営をしていく事ができています。

トーマス・デルゼー氏はチェルノブイリ以降ドイツで40以上発足した市民測定所の1つの設立者で、測定所を7年間続けて運営してきたことに加え、放射線防護専門誌「放射線テレックス」を今なお月間で発行していらっしゃいます。大学や研究所等様々な専門機関とコネクションを持ちながらも、当時3000人、現在でも数百人の一般市民の会員の寄付で運営している独立機関です。福島原発事故についても、各国政府に先んじて情報発信をしてくださってきました。

でもトーマス氏のような考えを持つ方は現在のドイツでは非常に少数派だそうです。流通品のメジャーブランドのブルーベリージャムの産地は「EUおよび非EU諸国」と表記され、本記事のような汚染の高かった東欧産の野生種が多い可能性があるにもかかわらず、非常に売れています。つまり、ほとんどの人は気にせず知識もなく食べていると言う事ですね。そして公の場で「セシウム」「汚染」という言葉が語られることも非常に少なくなってしまったそうです。

現在の若い人はチェルノブイリのことを全く知りませんし、当時小さなこどもをもっていた母親たちは今50代後半くらいになっていて、明らかに記憶が風化してきています。トーマス氏も後継者がいないことに心を悩ませており、日本人でも良いので今後の情報発信を続けて欲しいとおっしゃっていました。チェルノブイリ以来の大規模原発事故を起こしてしまった日本人が、次の事故への対応に少しでも役立つような情報発信と蓄積を続けていくことが大事です。測定所の情報蓄積がそのための一助になれば幸いです。
どうぞ今後とも温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
共同代表T

2013-03-24 日 14:58:42 | URL | YCRMS 共同代表T [編集]
ため息がでます
はじめまして。興味深く記事を拝見しました。神奈川在住の者です。
産後間もなく震災・原発事故がおき、当時は無知ながらテレビや政府の報道に何か違和感があり、自身で調べていくうちに冷汗が出る思いを何度もしました。
先日のリンゴンベリージャムと同じお店のブルーベリージャムが好きで、知識が浅かった事故後はチェルノブイリ由来まで思いが至らず何度か購入。その後売り場の方に検査の有無なども尋ねてはみたのですが…。また、北米産ですが巨大倉庫型店舗で購入したドライブルーベリーなども利用していました。
大好きなきのこ類などは食べなくても困らないと自分に言い聞かせ、他の取り込みやすい食品は代替になるものを探したりと手間はかかるものの、最近では一種のゲームでもしているかのような感覚にもなりさほど苦にはならなくなってきたのですが、どうしてもブルーベリーの事は気になっており、こちらの測定所の記事が大変有り難かったのでコメントさせていただきました。
上の方と同じく食の安全を始め、様々な事に今後も正しく幅広く知識を深めていこうと思います。また、測定所をまだ利用した事がないので、今度利用してみたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。
2013-03-25 月 19:35:18 | URL | ブルーベリージャムLOVE [編集]
Re: ため息がでます
はじめまして、こんにちは。コメントをありがとうございます!
産後間もなくの時期に原発事故だったのですね。当時はとても心配されたのではないでしょうか?
リンゴンベリージャムを測定した測定員M.Yも、「もしかして?」という思いと「大丈夫でしょう~」
という思いが交錯した中での測定でした。
私自身も多くの測定員も事故前も事故後もブルーベリーを食べていて・・・今回の結果に驚いています。

また、記事にしようと調べてみて、ブルーベリーについての知識を得ることができました。
> どうしてもブルーベリーの事は気になっており、こちらの測定所の記事が大変有り難かったのでコメントさせていただきました。

ありがとうございます!少しでも皆様のお役にたてたこと嬉しく思っています。
コメントを頂けたことも皆の励みになります。
今後とも、少しでも有益な情報が出せるよう努めてまいりたいと思います。

> 今度利用してみたいと思っています。
はい、よろしくお願いします。気になっているお品等ございましたら、
お持ちいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
測定員M
2013-03-26 火 12:42:04 | URL | YCRMS  [編集]
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